絵手紙創始者・小池邦夫は、幼い日、故郷松山の大山積神社の鳥居に彫られた三輪田米山の書にひきつけられて以来、書家を志しました。高校卒業後、芸術を学ぶべく東京学芸大学書道科へ進学します。しかし、臨書の繰り返しに疑問をいだきはじめ、自分のエネルギーの捌け口として同郷の友人・正岡千年氏あてに手紙を書き始めました。
模索を続けた二十代、生涯の師となる作家・瀧井孝作、画家・中川一政と出会い、作家とはなにかを体当たりでつかもうとしました。
このころから小池は手紙というスタイルの中で、詩・書・画三位一体の表現世界を創り出していきます。